トビウオ招き [海、島の本]
(@2006)
7年前、屋久島に行った時に乗った高速船の名前は、
トッピー
屋久島や種子島では、トビウオ(飛魚)のことを『トッピー』と呼ぶ... なんか愛らしい。
薩南諸島の近海はトビウオの好漁場。
トカラ列島などでは、夜に集魚灯を点け、防波堤からタモ網ですくって獲るのが、初夏の風物詩になっている。
トビウオの干物は、焼酎のつまみには最高。
今日、読んだ島の本は、
トビウオ招き
『トビウオ招き』とは、トビウオ漁の大漁を祈願して、島の女たちが歌に合わせて浜で踊る屋久島の伝統的な風習。
この本では、琉球文化とヤマト文化の交わる、薩南諸島の祭りや、風習、民具、等々が、民俗学的な見地から紹介されている。
ちょっと古い本ですが、とっても興味深い一冊だった。
上五島の歴史と風土 [海、島の本]
今日、楽しみにしていた
上五島の歴史と風土
という、冊子が届いた。
上五島の郷土史の研究や講演会や史跡探訪などを催されている、『上五島歴史と文化の会』の方たちが、十周年記念として、今までの調査、活動の内容をまとめたもの。
上五島は、『キリシタンの島』という印象が強いところだが、この本には、自然、地質、倭寇、遣唐使、南蛮貿易、捕鯨、神楽、五島うどん、の項目が並び、その内容も多岐にわたっている。
2月に訪れた上五島の文化や歴史、自然をより深く知ることができる... じっくり読んでみようと思う。
ロビンソン・クルーソーの島 [海、島の本]
(Isla Robinson Crusoe)
ロビンソン・クルーソーが、実在していたって知ってました?
”ヘイエルダールのコンチキ号漂流記”、”シュリーマンのトロイア遺跡”、”ハワード・カーターのツタンカーメン”.... そんな本にワクワクさせられていた少年時代、大人になったら『考古学者』になりたいと、真剣に思っていた。
そんな夢を実現した探検家が日本にいた。
”高橋大輔”さん....4回転ジャンプをやっている人ではありません。
ロビンソン・クルーソーのモデルとなった、”アレクサンダー・セルカーク”の居住跡を10年かかって探し当てた人。
『ナショナルジオグラフィックス日本版(2005年10月号)』で、”クルーソーの家を発見”という彼の記事を読んだ時、えっ、これって本当の話だっんだって驚いた。
1704年、航海長だったセルカークは、船長との争いが元でマサティエラ島に一人で取り残され、4年4ヶ月の間、自給自足の生活をして、1709年に海賊船に助けられた。
デフォーは、このセルカークの体験記を元に、『The Life and Strange Surprising Adventures of Robinson Crusoe』を書いたのだ。
マサティエラ島は、後に、ロビンソン・クルーソー島と改名された。
この島は、チリの沖合い約670kmの太平洋上にあるファン・フェルナンデス諸島の一つで、面積182km²の大きな火山性の島。
最近は、日本からのダイビングツアーもあるようだ...
高橋さんの探検記、居住跡を発見するまでの苦労や葛藤が書かれていてとても面白いです。
旅する巨人 宮本常一さんのこと [海、島の本]
(山頂からの眺め@父島)
『村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上って見よ、そして方向を知り、目立つものを見よ。峠の上で村を見おろすようなことがあったら、お宮の森やお寺や目につくものをまず見、家のあり方や田畑のあり方を見、周囲の山々を見ておけ、そして山の上で目をひいたものがあったら、そこへはかならずいって見ることだ。高いところでよく見ておいたら道にまようようなことはほとんどない。』
日本を代表する民俗学者、”宮本常一”が故郷を離れる時、父が彼に送った『十ヶ条』の中のひとつ。
島に行った時、高いところに登りたくなるのはこのせいかもしれない。
彼は、日本のすみずみまで自分の足で歩き、膨大な文章と写真を残している。
それだけでなく、離島振興法の制定にも尽力し、
『離島振興法ができたから島がよくなるのではない、島をよくしようと行動するとき離島振興法が生きてくる』
という言葉を残した。
(島酔蔵書)
島のことをいろいろ調べているとどうしても避けて通れない人で、当然のように興味を持った。
昨年、没後30年となり、著作の復刊や関連書の刊行が相次いでいる。
常一さんが、歩いて、見て、聞いたことを、共有できることも、旅の楽しみです。
宮本常一とあるいた昭和の日本〈1〉奄美沖縄 (あるくみるきく双書)
- 作者: 田村 善次郎
- 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
- 発売日: 2011/06
- メディア: 単行本