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旅する巨人  宮本常一さんのこと [海、島の本]

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(山頂からの眺め@父島)

『村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上って見よ、そして方向を知り、目立つものを見よ。峠の上で村を見おろすようなことがあったら、お宮の森やお寺や目につくものをまず見、家のあり方や田畑のあり方を見、周囲の山々を見ておけ、そして山の上で目をひいたものがあったら、そこへはかならずいって見ることだ。高いところでよく見ておいたら道にまようようなことはほとんどない。』

日本を代表する民俗学者、”宮本常一”が故郷を離れる時、父が彼に送った『十ヶ条』の中のひとつ。
島に行った時、高いところに登りたくなるのはこのせいかもしれない。

彼は、日本のすみずみまで自分の足で歩き、膨大な文章と写真を残している。
それだけでなく、離島振興法の制定にも尽力し、

『離島振興法ができたから島がよくなるのではない、島をよくしようと行動するとき離島振興法が生きてくる』

という言葉を残した。

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(島酔蔵書)

島のことをいろいろ調べているとどうしても避けて通れない人で、当然のように興味を持った。
昨年、没後30年となり、著作の復刊や関連書の刊行が相次いでいる。

常一さんが、歩いて、見て、聞いたことを、共有できることも、旅の楽しみです。


宮本常一とあるいた昭和の日本〈1〉奄美沖縄 (あるくみるきく双書)

宮本常一とあるいた昭和の日本〈1〉奄美沖縄 (あるくみるきく双書)

  • 作者: 田村 善次郎
  • 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
  • 発売日: 2011/06
  • メディア: 単行本
旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三 (文春文庫)

旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三

  • 作者: 佐野 眞一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/04/10
  • メディア: 文庫
宮本常一離島論集〈第1巻〉「怒りの孤島」に生きる人々/農業のいろは

宮本常一離島論集〈第1巻〉「怒りの孤島」に生きる人々

  • 作者: 宮本 常一
  • 出版社/メーカー: みずのわ出版
  • 発売日: 2009/10
  • メディア: 単行本


私の日本地図〈7〉佐渡 (宮本常一著作集別集)

私の日本地図〈7〉佐渡

  • 作者: 宮本 常一
  • 出版社/メーカー: 未来社
  • 発売日: 2009/08
  • メディア: 単行本



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コメント 6

異邦人

~☆ 島酔潜人さんへ ☆~
日本のすみずみまで
自分の足で歩いた人は
さすがに違いますね。
山頂からの眺め。
まったくその通りですね。
勉強になりますね。
by 異邦人 (2012-01-21 20:42) 

momomo

島酔さん、こんばんは。

常一さんのお父さんの言葉も常一さん自身の言葉も、
すばらしいですよね。
人を見つめるやさしさを、
常に忘れない方だったと思っています。
by momomo (2012-01-21 23:47) 

たまねこ

宮本常一さん、初めて知りました!
日本をじっくりと知ることができそうですね。
「山に生きる人びと」は以前手に取ったことがあったけど、難しそうって戻してしまいました・・・
今度どれか読んでみようと思います。
by たまねこ (2012-01-21 23:58) 

島酔潜人

>>異邦人-san

宮本さんの偉業は、もっと評価されるべきですね。
『世界記録遺産』になってもおかしくないと思います。
by 島酔潜人 (2012-01-22 17:19) 

島酔潜人

>>momomo-san

その土地に住む人の目線に立って地域活性化を考え、アドバイスし、実践された方なんですよね。

ちなみに、第4条は、

時間のゆとりがあったら、できるだけ歩いてみることだ。いろいろのことを教えられる。

これは、実践したいものです。
by 島酔潜人 (2012-01-22 17:29) 

島酔潜人

>>たまねこ-san

ぜひ、読んでみてください。
小説と違って、読みにくいかも知れませんが、その土地に暮らしてきた人たちの生の声が聞こえてくるようです。
by 島酔潜人 (2012-01-22 17:30) 

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