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”こだま”ではありません [島のあれこれ]

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数年前、後輩からもらった『鯨のてぬぐい』
山口県の島に生まれた彼の先祖は、江戸時代に捕鯨の網頭をつとめたお家柄。
島には、『鯨墓』があり、捕獲した鯨の胎児が埋葬されているそうだ。
島のお寺では、今も『鯨回向』として、鯨の供養が行われている。

青い海の島

詩人、『金子みすヾ』は、今は橋続きになったその島の対岸に生まれた。
若くしてこの世を去った彼女に、『鯨法会』という詩がある。

  鯨法会は春のくれ、
  海にとびうおとれるころ。

  はまのお寺が鳴るかねが、
  ゆれて水面(みのも)をわたるとき、

  村のりょうしがはおり着て、
  はまのお寺へいそぐとき、

  おきでくじらの子がひとり、
  その鳴るかねをききながら、

  死んだ父さま、母さまを、
  こいし、こいしとないてます。

  海のおもてを、かねの音は、
  海のどこまで、ひびくやら。

昔人と鯨との係わり合い、鯨に対する畏敬の念が感じられる、心美しい詩。

ACのコマーシャルもそろそろ... (ひょっとして、関東圏だけでしょうか?)

童謡詩人金子みすゞの生涯

童謡詩人金子みすゞの生涯

  • 作者: 矢崎 節夫
  • 出版社/メーカー: JULA出版局
  • 発売日: 1993/04
  • メディア: 単行本


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コメント 8

rtfk

青海島ですね。。。
鯨回向は知りませんでした。
一度だけ本土側を通りながら見たことがありますが
美しい素朴な雰囲気の島です。
by rtfk (2011-03-31 16:23) 

○

むずかしい。イミワカリマセン。”こだま”
by ○ (2011-03-31 23:44) 

島酔潜人

>>rtfk-san

ですです。
そちらからだと近いですね。
江戸時代は、捕鯨で栄えた島のようです。
by 島酔潜人 (2011-03-31 23:54) 

島酔潜人

>>〇-san

毎日テレビで流れている、ACの「こだまでしょうか」っていうCM。
あれ、”金子みすヾ”の詩なんです。 ってなギミックでした。
by 島酔潜人 (2011-03-31 23:57) 

momomo

島酔潜人さん、こんばんは。

金子みすゞのリズム感にはほれぼれしますよね。
ほんとうに美しい…。
そういえば、小値賀島にも鯨の墓があります。
中心街のはずれの畑の中にひっそりと立っていました。


by momomo (2011-04-01 00:32) 

異邦人

~☆ 島酔潜人さんへ ☆~
日本の捕鯨は日本古来のクジラに対する
思いやりがあったんですね。
捕鯨しても鯨の墓で供養したんですね。
こういう事を海外に知ってもらいたいですね。
by 異邦人 (2011-04-01 09:23) 

島酔潜人

>>momomo-san

金子みすゞの力強い優しさって何なんだろうと思います。
そういえば、清水寺に中島潔氏が描いた、金子みすゞの『大漁』の襖絵があります。

鯨の供養塔、良くご存知ですね。さすが編集長!
あの島も、昔は小田家の鯨漁で栄えていたんですよね。
クジラ、イルカ 好きなもので...
by 島酔潜人 (2011-04-01 09:27) 

島酔潜人

>>異邦人-san

日本人は、『縫い針』さえも扶養する文化を持っているので、命をいただくことに対しては、より深い畏敬の念を持っていたのでしょうね。(裏を返せば、たたりを恐れていたというこでもありますが...)
日本各地に、クジラやイルカの供養塔やお墓があります。
特に、西海の島には多いですね。
by 島酔潜人 (2011-04-01 09:42) 

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