白洲次郎 - カッコいい男 - [晴潜雨読]
今日、NHKで、白洲次郎のドラマをやっていた。
Tシャツとジーンス姿もカッコいいが、彼の自由な生き方に憧れる。
吉田茂の側近として、戦後の日本を独立へと導いてくれた人だ。
あの激動の時代、広田弘毅や石田礼助 と同じく、世界観を持って日本の将来を考えていた。
「風の男 白洲次郎」は、そんな彼のダンディズムが感じられる一冊。
星野道夫 - 生命(いのち)の語りべ - [晴潜雨読]
(Fairbanks)
昨年の冬、フェアバンクスを訪ねた。
星野道夫が最後に住んでいた町は、11時に日が昇り、2時に日が沈んだ。- 彼が不慮の死を遂げてから、もう12年になる。
写真家でありながら文章家。
森や、川や、そこに生きる動物の魂が語りかけてくる。
押し付けがましくない自然な感情の表現。
彼は、生命(いのち)の語りべだったと思う。
ファインダー越しの風景は、時に優しく、時に厳しい。
「風のような物語」は、長年の旅の友。 ボロボロになってしまった。
- 作者: 星野 道夫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1998/12
- メディア: 文庫
北村浩子の「books A to Z」 [晴潜雨読]
AM 7:30、FMYokohama に起こされる。
AM 7:52、 「books A to Z」 が始まる。(隔週)
最近、北村浩子 にはまっている。ついつい読みたくさせるような「本」の紹介。
透明感のあるおちついた声で紹介されると、催眠術にかけられたように買ってしまう。
今日もまんまとやられてしまった。
その上、Amazon にまで、「この本を買った人は、こんな商品も買っています」とか、「**さんにおすすめの商品があります」とか言われて、またまた買わされてしまう。
まんまと戦略にはまっている。(教訓その2:酔っ払っている時は、ヤフオクとAmazon には手を出すな!)
そんなわけで、積読(つんどく)本が増えている。年末年始、一気に読むぞ!
北村浩子さんの「books A to Z」で紹介された本、下記に掲載されています。また、オンエアされた内容を、PodCast で聞くことができます。ぜひ聞いてみてください。絶対にはまります。
http://www.fmyokohama.co.jp/onair/program/steps/books/
ってことで、今週買わされてしまった本
凍 - 沢木耕太郎 - [晴潜雨読]
たまに、考えることがある。
すべての欲望やしがらみを捨て、好きな事ができたらいいなって!
でも、仕事を捨て、家族の犠牲を払ってまで、人生をかける自信があるのかって?
そんなものが自分にもあるのかって?
そこには、どんな幸せが待っているのだろう?
昨日、沢木耕太郎の 「凍」を読み終えた。
最強のクライマー、山野井夫妻(泰史、妙子)のギャチュンカン(ヒマラヤの難峰)への、壮絶な挑戦の記録だ。
生還したとは言え、重度の凍傷になり大きな犠牲を払うことになる。
結局、妙子さんは、手足の指を18本失ってしまう。
それでもなお、明るくポジティブな二人に、感動というより、常識では計り知れない大きな力を感じてしまう。
生活の安定や地位を求める社会構造の中、地位も名誉も富を求めず、山登りだけにかける人生はある意味うらやましい。
久しぶりに読み応えのある本だった。
初めて手にした沢木耕太郎の本は、深夜特急だった。
彼の文章は、空気のように本人の存在を感じさせない。
のどごしの良いビールのようだ。
粗にして野だが卑ではない -石田禮助 - [晴潜雨読]
(松崎にある石田禮助の生家)
第5代国鉄総裁を勤めた石田禮助は、 国会に初登院をした際、「粗にして野だが卑ではない」と言い、「国鉄が今日の様な状態になったのは、諸君(国会議員)たちにも責任がある」と言った。
また、人生の晩年は「パブリック・サービス」に当てるべきと考え、総裁としての報酬や特権まで受け取ろうとしなかった。
昨今、政治家や官僚の不正、汚職、無責任な辞任が続いているのを見るにつけ、石田禮助のこの言葉を思い出す。
はたして、彼らは、天国への旅券(パスポート・フォア・ヘブン)を得ることができるのだろうか?
- 作者: 城山 三郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1992/06
- メディア: 文庫